中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

お気に入りの歩道橋

 

甘ったるい糖衣錠が喉を通る度に何も考えてないことに気づく、そんなんだからふらふらして危ないよだなんて

自分でも可哀想なくらいズタズタな腕の傷跡は基本的に毎日痒い


ポケットに洗濯されてくしゃくしゃになった紙切れが入っていて、その手触りが何にも似てなくて寂しい、そんな理由じゃなくても苦しいもどかしい

 

世界が語りかける
真夜中の歩道橋
昼間のセンター街
夜の歩道橋はわたしにとってとにかく思い入れがある
あの子の本気のリストカットの痕と、あの子の遊びみたいな擦り傷のようなリストカットの痕
あと何分?世界が逆転するまで。
あと何分?わたしが死んで生き返っちゃうまで。
朝になっても変わってなかったらこの世界はずっと夜ってことでいいかなぁ
危険が潜む静かな閑か
雑多な喧騒に潜むわたしたち、愛しくってしょうがないよね

 

思い出したい、薄れていく記憶の中で忘れ方が上手な人たちの中でさえ残っていたい
だから時々ずぅんと重たい何かを抱えてぶつけてやりたくなる
めちゃくちゃにぶち壊したい。

それで砕けた破片や欠片をまた拾い集めてくれるような人たちのことを信じたい、ワガママすぎるけど信じるんだぁ
でもそれがどこかわたしの愛のカタチなのかもしれない

 

気に入って特に夜よくお散歩しに行っていた下落合にある歩道橋か、近所の駅の歩道橋が(つまり東京と福岡のお気に入りの歩道橋が)もし万が一取り壊されるようなことがあれば、その時はわたしの一生は寿命で終わらせると約束します。

歩道橋はわたしにとって生と死のお守り

一番最初に入院した精神科の近くの歩道橋に登った時の、風の妙な心地良さが忘れられないんだと思う。人は記憶で生き延びたり死んだりするものだね。

また。