中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

ゲシュタルト崩壊

 

声を殺して泣いていた
あの子はどこへ行ったんだろう
右往左往
ぼくの左利きは生まれつき
スーパーウルトラ売れ行きが良くなって
無くなった頃にまた会おう赤ワイン
わたしの文章は何色に彩られているのかなぁ

 

時々、丁寧な運動を心がけている
腕や脚や腹や背中、どの部分の筋肉がどう、例えばギシギシっと、例えばミチっと、また例えばギューッとなっているのか、その動きを頭で考えて反芻することも含め、神経を集中させることにおいてとても丁寧に動かすのだ
そうすると、自分の身体を自分の思う通りに動かせることを幸福なことだと思うし、ありがたいと思う

 

結露したカフェラテが目に入る
本を閉じてスマホに文字を打つ

 

いつも「減っている」と言っているのにいっこうにゼロにならない咳止め糖衣錠の数を、今日はゼロに近づけてみた
近いと言ってもまだまだ多いけれど、わたしは少しずつそれを努力しなければいけない
親の焦らないでいいと言うのと、でもゼロに越したことはないと思っているのがバレバレだ
わたしだってそう思いたいけれど、そんなに上手く事は運ばないし、むしろ簡単にゼロになる方がきっと奇妙だ

 

何かもっと莫大な効能のあるもの

 

たまのたまに、兄弟や親や友人を犯す夢を見る
夢だから責任は問われないはずだと分かっていても、気まずい気持ちになる
自分のそういうところは気に入らないなと思う

 

知っている言葉をさらに細分化して説明できるようによく辞書をサーフィンしている
例えば「不確定要素」について(「物事のはっきりとしていない部分」)
例えば羊歯(しだ)について(「シダ植物の総称」)
例えばアカシジアについて(「錐体外路症状による静座不能の症状のこと」)
例えばゲシュタルト崩壊について(「まとまったものがバラバラになっていく感覚」)

 

「机の上で生みだされた彼の美しい計算値を乱す無礼きわまりない不確定要素」(海辺のカフカ上(村上春樹)、P286.3行目)

 

カタカナとひらがなと漢字とほとんどアルファベットを知っている日本人という人種は、とても優秀じゃないかと思った
ひらがなとカタカナで100、アルファベットの大文字小文字が52、常用漢字だけで2136字ある。
多彩な文字を扱うことに困難を感じていないし、幼い頃から自然と身につけてゆく文字を思うと、日本人が外国語(アルファベット以外)を学習するときに苦労するのも無理はないと思った、島国で語源も無いし

 

知っている色と感じる色の数が違う
いま「色」という漢字を共感覚で何色に感じたかというと、虹色に感じた。たぶん文化とか慣習とか理由があって色といえば虹色に感じたんだと思う
「彩」は緑色だけれど
ゲシュタルト崩壊してきた。