中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

ナッシング!

 

わたしには何もかもがある。足りないものなんてない。たっぷり愛情を注いでくれる家族もいるし親戚もいるしだいすきな兄もいるし、お金だって恵まれている。何年間も塾に通わせてくれたし私立に通って入りたい大学に進学させてくれた。一人暮らしもさせてくれて、バイトしなくても困らないくらい仕送りだってある。多くはないけど優しい大切な友達だっている。リスカ跡なんて大したことないし外見にコンプレックスもない。傍から見れば本当に恵まれている方だ。
死にたいだなんて思う理由が見当たらない。
なのに、どうしてこんなに自分は不幸で悲しくて虚しくて苦しくてつらいと思うのかわからない。本当に、なにもかもあるのに。


希望をみると、みえなくなったときがこわい。
絶望がこわい。


環境が人間を形成する。でも思考するのはわたしで、その思考が必ずしも環境に依存するわけではない。


だから、わたしの思考が、わたしが、甘ったれた人間なだけだ。