中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夏がぴったりなあの子の足元

お気に入りの天然水を片手に、よっと歩道橋を飛び降りた。ぐしゃり。そこには何も残らない、残らなかったのだ。そう、残らなかった。残酷な音だけは響いた気がするけれど、残酷なはずのその肉体は欠片も散らばってはいなかった。 どうでもいいよ、腫れ上がっ…

an unidentified girl B

少女BからLINEが来た、3回だけ送信取り消しされている、夜ももう更けている2駅離れた彼女の家に駆けつける手首を切って死んでやると連絡が来たから扉が開いている、まるで彼女が誰をも受け入れると言っているように、あるいは誰でもいいから助けて欲しいと叫…

Jesus★

遺書という名のラブレターいいなぁ他人を好きになることができてわたしの好きは空っぽだからいつも掴めそうで掴めない届きそうで届かない 好きになってごめん、好きじゃないくせに嫌いになれなくてごめん、好きだから おまえらの言葉一つ一つに意味を持たせ…

博愛という花言葉

ポニーテールを揺らすあなたの後ろ姿に良く似合う香水をふと思い出す、まるでブーケのような温かいふんわりとしたその香りはまるであなたの輪郭を形作るような香りだった 闇を覗いているとそれに飲み込まれそうになる 漂っていたら自分の細胞一つ一つが分裂…

知らない天井

ホテルの23階のバーで母とお酒を飲むわたしはモスコミュールを母はお酒に詳しくないので店員さんに何かフルーティーで飲みやすいものをと聞いて勧めてみる 外の明かりがキラキラしていて、高所で眺める夜景が綺麗だった 当然のように、いつもみたいになんら…