中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

犠牲

 

賞味期限としての幼さ
こだわった選択肢がわたしに似合わない
わたしにまとわりつく青いベールが赤に変わるとき
ふとコンビニのほかほかな肉まんが食べたくなった


ひと月前に見た野良猫が、ニュースでやってた凄惨な事件に目撃者として関わっているらしい
そうか、そうだったんだ


肩にくい込んだショルダーバッグの紐と重さが、わたしの背中と姿勢を歪ませたから、仕方がないじゃないか


つけたライターの火が思ったより燃えて、前髪が少し焦げてしまった
まただ。また誰かの幸福の代わりにわたしに不幸が舞い降りたんだ。
もしかしたら貴方が昨夜食べたデザートのガトーショコラが美味しかったせいで
もしかしたら誰かが横断歩道を渡る時にタイミング良く信号が青になってテンポよく歩けたせいで
そんくらいことだよね
前髪がちりっと焼けたくらいで、別に落ち込んでなんかないよ


必要以上に優しくされたい
怒られないように行動しているから普段から全く怒られないんだけど、そうしたらびっくりするくらい反省がヘタクソになった
めそめそ泣いて自責するだけ
幼稚な自我が膨張し続けていて、知識ばかり得ていたら精神が追いつかなくなっていた


身に余る矜恃
混乱した生活は、不健全な心から
見えている範囲外に拡がっている世界に思いを馳せることと、インターネットに淡々と文字を打つことは、そう変わらないし
夜ほんのり明るいのは、月明かりのおかげなのか街灯の明かりなのか、わたしたちは意識せずに生活しているから、だからふと寂しくなってしまうんじゃないだろうか、夜


いまわたしが必死に生きていないことは、専ら命への冒涜か

とても困惑している、一生開いた口が塞がらないかもしれない


わたしの神様、マイロード
頭痛が痛い、愚かな愚行
ポリエチレンテレフタレート


自分はいったい何万の言葉を知っていて扱えるんだろう
その中からどのくらいの確率で選ばれた言葉がどのくらいの種類の文章をつくるんだろう


大量に飲んだ薬のせいで太陽の光がいつも以上に眩しい
母親が開けた窓から入ってくる車の音もやけに騒がしく聞こえて、眠らずに迎えた朝からイライラがつのっていく
身体が強ばってガチガチだし、手足が勝手に動いたり瞬きが多くなったり
こうなると全部ムカつく、悪いのはわたしだから