中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

刻(トキ)

 

お泊まりして深夜にコンビニで好きな食べ物とお酒を買ってちょっと遠回りして夜風にあたりながらお散歩して帰ったあと買った物を食べ飲みしながらワンルームの少し暗めのリビングで借りておいた好きな洋画を一緒に見返すような友達がいたらと、ふと思う
そういうときに英語がわかんなくたって翻訳を読み損なったって、キブンが大事なんだ
それをよりいくらでも倍に豊かに感じるために寂しさの前借りを毎晩してると思えば、ひとりきりの夜だってどうってことないものだと思う

ずっと前の冬の深夜、わたしが貸したもこもこの上着を萌え袖にして、歩道橋の手すりをそれで触って少し汚した子がいた
かなりの大通りにかかった歩道橋で、その上から近隣にいた人に二人で「おーい!」と手を振りながら叫んだことが懐かしい
だからまた、そういう時のためにいま寂しくなっておこうかなぁなんてね

そして今日もまた「うー…」とほろほろ泣いてしまった
人と関わりながら生きていく上でわたしがわたしである以上、孤独感や疎外感や虚無感と闘い続けなければならないんだと改めて実感した
バラバラになった花瓶でもひび割れた花瓶でも底の抜けた花瓶でも比喩なんてなんでもいい、とにかく器が脆すぎる
どんな時でも破片を拾って修復してくれる身内以外の存在なんてそう居ないから、いまにも早く大切にしたい

一刻を、争えよ

じゃないと自分のこと、そろそろ殺したくなってきた

なんでもない、わけがないし
どうってことない、わけもない


笑うし楽しいし怒るし泣く
わたしのことについて、何かにつけて理由を欲しがるのはいつも自分以外だと思ったけど自分も何故かと問いたくなるほど理解し難い行動ばかり取っている


解らないことだらけだ


でもそうやって一つずつ、一日一日が学びの毎日な気がした、夜、風はまだ浴びてない