中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

飽和

 

ある日のこと、泣いていた
わんわんと嗚咽を漏らしながら、泣いては泣いては涙はやまず
本当に嘘を混ぜたのか、もう何が何だかわからなくなって、泣いたのもまた本当のことだったのか今となってはわからなくなって
そんなのばかりで良くないはずなんだけど


わたし、偽るのを止められないでいる
わたし、良い感じに装ってばかりいる


ロッカーに鍵をかけたまま、荷物はそこに置いておいて食堂で気持ち程度ほんの少しだけ軽食を摂る
そしてロッカーを開けて荷物を取りだして誰も見ていない音も聞こえないそういう風にしてそこを後にする
そういう時に涙なんか出ないのに
一体いつ、泣いている?
誰も悪くないのに、常識だけで生きていこうだなんて無理があると思う
その常識すら時に足らなくて怒られて、殴りかかってしまいそうになるのをぐっと堪える


わたし、お前より強いからなって
わたし、死ぬほど我慢してるって


メモに愚痴を書いてるのをそういうやつらは知らなくて、実はそっちの方がなんて生きやすかろうなクソったれ


そろそろね、成人してから合法になったやつ、あれねあれ、そうそう煙草とお酒、それらのこと飽きてきてさ、もうやめようかなぁ
って言うやつほどやめないよねバカだよね


いま飲んでるウメのお酒が美味しいな
いま書いてる即興の文章がタノシイな
いま眠る前の服薬のふんぎりがつかないな
いま明日のことなんか考えたって仕方がないよな