ゲシュタルト崩壊してゆく愛しい日々たち
化けの皮がボロボロと剥がれて姿を現した君は思ったよりずっと奇麗だった
君の吐くその美しい血と嘘でぼくを存分に塗りたくってしまってくれと思ったんだ
それで君色に染めて欲しかったんだとようやく気づけたよ
爪先に塗られたターコイズブルーはよく思い出に残っていると言ってもいい
奪われる時、まるで奪った時のようにそうされるのがつらくて、でもどこか嬉しくて、でもやっぱりもう奪わないと誓った
腕に刻んでしまった傷が痛痒い、少し内出血をしていて一生そのままだったらこの気持ちも忘れないのにと思う
あの春を思い出してぎゅっと胸にしまって
あの夏を思い出したくて手を伸ばして追いかけている
春は冬の終わりで、夏のはじまりの季節だ
「またね」と言ってから本当にまた会うまでの間のその寂しい穴を埋めるように、最後にほっぺにキスしたりハグをしたりするのはわたしの特徴だと言っても過言ではない
つまりお気に入りで大好きな人にはスキンシップを取って愛情をたっぷり表現したいということ
出会いと別れの季節だと実感する今日春この頃
帽子が吹き飛ばされるくらいの風が吹いてから風の行先に目をやって後ろを振り向くと、ふと気づく君からの視線に少し胸を熱くする。風が巡り合わせた君とぼくの春からの物語を始めようか
おめでとう
ありがとう
離れても
離れないで
あらゆる物にこびり付いた嘘と思い出が
今日のぼくを保って
そして明日のぼくを生かすんだ、たぶん
これからも
これからずっと
過去の栄養たっぷりエネルギッシュな事柄を糧に
現在を生き延びて
未来をやっと夢見れる
ロケット鉛筆みたいに繰り上げ繰り上げなるべく明日が確実に来るような生き方をして
その芯で日々を描いていくから
ちゃんと見ているから見ていてよ
そして目を見て「またね」と言うから
春、桜の花びらの舞う様子がキラキラした未来に似ていることから名付けられたそんな君の名を
愛しさ込めて呼びますね