わたしたち、あんなにカンペキだったじゃない
それを壊したやつ出てこいよ、蹴って殴ってぶち殺してやる。
わたしたちを壊したようにそいつのこと、ぶっ壊してやりたい
思えばいつからか、あの子が手の届かないところに行ってしまってからできたその穴を、間違った方法で埋めていた。
たぶん瞬間的な対処でしかなくてずっと本当はいまでも空っぽだ、でも気づきたくなくて。
わたしの空いたその穴を埋めてくれるような、あるいは縫い合わせてくれるような、そんな存在に期待してもいいだろうか
かけてもらった毛布が特別温かいように、それに包まれて眠るように。
人を駄目にすることで自分を駄目にしたくなるような、そんな欲求、誰しも持ち合わせているんだとばかり思っていた。いつもわたしばかり駄目だと思う、まったく。
手紙、書かなくちゃ
カード、描かなくちゃ
化粧水、買わなくちゃ
プレゼント、送らなくちゃ
連絡、取らなくちゃ
わたしと寝た人しか見られないところにあるような傷に意味があるに決まってる
あの人の胸元の彼岸花みたいに。
あの子がごっそり空けていった穴は、まだ埋まらない。
救いようのない日々にも芽が出ることを信じて。