中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

神様の束の間

 

人の一生は、地球くらいの巨人がいたとしてそれが1回瞬きをするくらいの長さだと誰かが言っていた

出産は鼻の穴からスイカが出てくるようなものだという例えがあるけれど、それと同じくらい根拠の薄い単純でデタラメな比較なんじゃないかと考える


ハムスターのようなちっこい動物の心臓とその寿命を、人間の心臓と寿命とに照らし合わせたら数字で比率を出して計算できるのだろうか
でもたしかにわたしたちが瞬きをするコンマ1秒の間に、生まれて死ぬ微生物はいることを考えれば、あながち間違いでもないのかもしれない


わたしたちが日ごろ浴びている太陽の光は約8分前の光だという話もある。太陽との距離と光速を計算すればこれは正しい


わたしたちの知っている物事の規模は、意外に実感できないほど巨大だったりするものだ。
知っているということと感じるということは異なるものだとつくづく思う。
その隙間を数字や言葉で表して短くして埋めてゆく。


顕微鏡や望遠鏡で内側と外側をわたしたちは観測することができる。
内側でも外側でもないものを見るためにまたは鏡を使って、過去でも未来でもない現在を見ることもできる。
だからどうか、研磨したピカピカな石に映るそれらが正しく、せめてデタラメじゃありませんように。