平成に取り残されたギャル
もうここには戻れない
ぐにゃりぐにゃりと混ざって進化する、他ない
レッグウォーマーもアームカバーも学校バッグも復活していて、復活しない過去のものなんてないんじゃないだろうか
ヤシの木を見ている、正確には見上げている
海辺に佇む女の子はあたかも似合うに違いない!みたいな自信から来る服装、つまり白のサラリとしたワンピースと、頭が小さいのかちょくちょく飛ばされる麦わらの帽子をかぶっている
その少女の名前はなんだろうかとふと思う
海にゆかりのある名前なのかな、とかね
海のさざなみが聞こえてくる。わたしは海の見えるプライベートな所でその波の音を聴きながらワインを飲んでいる。
そうすることが人間にとってまるで正しいかのように。
勿論そんなはずは無いしこの時間に浜辺にいる真っ白なワンピースと麦わら帽子の女の子が間違ってるだなんて言ってない。
要は、一人一人にその刹那的な瞬間をその人だけが感じられ、充実した時間を過ごす、というのがある意味正しい刻の過ごし方なのかもしれない。