たまらない気持ちになるときがある。
そういう時に思い出せる、声や表情や匂いや場所があるといいのに。
嫌な思い出ばかり、裏切ったこととか悲しませて傷つけたこととかばかり思い出す
わたしだって、大好きな笑顔とか優しさとか安心する匂いとかふわふわな身体とか、そういう幸せなことを思い出したい。
思い出せないわけじゃない、たぶん思い出したくない。思い出して、またたまらない気持ちになるから。
救ってくれるのは、人だ。わかってる。
咳止め糖衣錠でも酒でも処方薬でもない。
わかってる。
感情が正しい方向に動かせないから、身体を動かないようにする。そうやって無理やり感情を動かそうとする。どちらも動かなくなったら、それは死ぬということだから。
わたしにはまだやれることがあるはずだ。
やれるはずの、能力があるはずだ。
どうしてやらないんだろう。
もう道具は揃っているのに、ずっと。
エネルギーがないとか、もう前向きに生きていたくないとか、理由ばかり探して、そんなの理由にならないのに。
心がなかなか動かない。意志とか理想とかとは裏腹に、恐怖ばかりがわたしを支配する。
本当に怖い目にあったのかはわからない。
ただの妄想なのかもしれないけれど、いやそうに違いないんだろうけど、信じこんで、思い込んで、わたしの中でそれらが事実になってしまう。
心身症と精神病の境界
どこまでいっても脳の中のことが、宇宙で彷徨うしかなくて、迷子になっている。
一緒につくってくれる、一緒に考えてくれる、一緒に悩んでくれる、一緒に解決してくれる、答えをくれる、思い出がほしいだけなのに。
少なくとも間違っていないこれからが、ほしいだけなのに。