中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

環状線1周であやされた夜

 

形のないものに言葉を与えて輪郭を作っていく作業がすきだ


最悪の思い出の瞬間に聴いていた音楽はどうしても嫌いになれないし、何か大事な出来事に関与している間は離れられない人がいる


食べて食べて食べて、満腹になったらわたしたちは最上に幸福になったあと、これ以上満たされない状態という意味で不幸へと落とされる

 

できれば七転び八起きしたい。

そしていつか次の1回に起き上がれないかもしれない可能性を秘めながら、どこか平気な顔をしていたい


でもおまえらのこと蹴飛ばしたいから、そういうのも次に取っておく

 

自分を傷つけることで傷つく人が他にいるということがまた信じられなくなった自分のそういうところが本当に大嫌いだ


わたしは役者じゃないんだから、嘘はついても嘘の涙なんか流せないよ
泣きたい時に泣いてるだけで、手が震えてるのを禁断症状だなんて言われる筋合い無いのに疑われるのは、やっぱり自分の行動のせいなんだろうよ

 

じゃあ愛してるうちに内に殺してよ


もう立ち止まってしまいそう


治せるうちはいいんだよ、ビタミンをとればいい口内炎とか


でも見えない内に見えない所で傷ついた部分が壊死しても、もうわたし知らないから

 

血色のある唇と口付けされるキンキンに冷えたビールが健康的でいいなぁと思えるうちに、溺れないようにしなくちゃならないとは思ってる


そうじゃなきゃ、夏は来ない


いつかの次も、きっと来ない

 

ガキの頃は遊んで転んで貼ったバンソーコーの数だけ健康の証だったのに、大人になるにつれて、貼られてゆくバンソーコーの数は不健康な根拠に変わっていった。
大人は当たり前に傷なんか作らない。転んだら痛いことをすでに知っていて転ばないようになるし、転ばないように全力ダッシュすることもないし、全力ダッシュしなくていいように休むことを知っているから。

 

結局、今日ドライブしてもらった車の中で聴いた音楽も、絶対に嫌いにはなれないと思う