中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

遠い

 

混濁する意識の中、ギリギリで届いた光に手を伸ばした
どうすればよかったかな
裾の広がったパンツが良く似合うね、なんだか
目の前にいる鳩を追い払うために足をバタつかせる
本当にまた春は来るかな、と春に思う、ときの感情


髪をドレスアップするときってだいたい大切なあの人に会うためだよねって、長い付き合いの友人と話すような会話が聞こえてきた、きっとそうだと思うのって恋人がいるかどうかには関係がない、うん


赤いポストが目に入る
この前、友人に手紙を出したんだか、そう左側に


捕まえて、捕まえないで、ルールを侵したときにだけ
うちの車は外国産なんだって自慢した物心つきたての頃


まだ誰も気づきたくない、そうでしょ?


桜の木の枝が頭の上スレスレに通り過ぎた
花はまだ咲いていない、あの夜みたいにはまだ
満たされないのは常に女の人、という凹凸
ぴったりなそのカップルに微笑むくらいの余裕は無いよ


プレゼントは、もう贈らない
折りたたみ傘、今日持ってない
母親は、まだ帰ってない