中原ぬこさん

言葉で遊びましょう

シャネルの赤

 

吐いても吐いてもこびりつく嘘
記憶に口紅をさしたっけ
色づけた淡いそれは何色だろうね
身体の末端にある爪に色をよく乗せる
黒とか青とか緑とか
まるで鎧みたいに感じながら
整えた爪先を普段からよく見ていると
安心する、脆いけど強く見えるから
あの女性の爪先は美しく真っ赤だった
いつしか塗られなくなったシャネルの赤
いつも仕事で忙しくしていて
家事をしないその手はずっと赤だった
美しく強い女性がまとった鎧なら
わたしも赤を好きになれそう